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2005/05/31

大学院講義

本日の大学院の講義は開始時間の出席者がとうとうゼロに。誰も来ないかといぶかりながら、帰り支度を始めると、一人学生が駆け込んで来たので、慌てて撤収しかけた講義の準備を再開して講義を行った。もうちょっと、面白い講義をしないと人は来ないのだろうなあ。

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PLoS Computational Biology

PLoS Computational Biologyという雑誌が刊行される。よく理解してないが、要するに商業出版に独占されている学術出版を誰でも閲覧できるベースに乗せようという運動のPLoS(Pubilc Library of Scienceの略らしい)の最新刊。共同研究者の意見ではいい雑誌になるだろう、とのこと。そういう雑誌に投稿してみたいもんですね。夢ですが。

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2005/05/30

ネアンデルタールと花

ネアンデルタールは死者に花を捧げたという話は結構有名だが、ここにあるように残念ながら、この説は俗説のようですね。花を捧げた方がロマンチックだったんですが....。

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研究者環境分析

日本物理学会研究者環境分析委員会報告書がようやく公開された。私も委員会の末席を汚した報告書である。これは随分前に男女共同参画がらみで会員向けに施行されたアンケートの結果の分析のうち、男女共同参画とは直接関係しない部分の分析である。アンケートの施行から随分と時間がかかってしまった。僕は「男女共同参画推進委員会」のネットコメンテーターとしてたった一回だけ参加した同委員会で、既に刊行されていた男女共同参画に関係する部分の解析の統計的な有意さにけちをつけたばっかりに、こんなことをやるはめになってしまった。できのよしあしはいろいろ意見があると思いますが、労作であることは間違いなし。これを読んで続きをやってくれる後継者が出現することを祈ります(僕はちょっと..。)なお、6月号の学会誌に簡単な報告が掲載される予定。是非、お読みください。

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2005/05/29

Nature 雑感

Natureは変な雑誌だと思う。 5/19号の構成なんて考えようによっては結構シュールだ。エルゴード仮説の記事の次の次のページに、人間の肌色の進化の話が書いてある。前者はサイエンスライターによる軽い読み物、後者は「銃・病原菌・鉄」の著者で名高いジャレッド・ダイアモンド、ということで確かに難解ではない。難解ではないが、これに両方とも興味もてる人ってどれくらいいるんだろうか?欧米には結構いるのか?日本では珍しいタイプの人だと思う。赤い色を着るとスポーツが強くなるなんて話とかどうなんだろうか。面白いけど、Natureに掲載するほど重要?その他には脳の直接計測を用いることの倫理的意味(これは読んでない)とかいう記事もある。Natureという雑誌自体、変な雑誌だ。世界中の一流の研究者がなんとかして研究を掲載してもらおうとしのぎを削る一方で、最近はSFまがいのものまで掲載されている(今号はエッセイなのか。いつもSFなんだけどな)。実におかしな雑誌だと思う。 

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2005/05/28

referee

全くみたことも聞いたことも無い雑誌から査読依頼が来る。”As you are a specialist in Nonmetric Multidimensional Scaling analysis,”などと書かれている。これはこんなものこんなものを書いたせいかもしれない。まだ、全然中身を見てないが、雑誌の性質からして、nMDSを使っているにせよ、分析対象は僕には未知のもののようだ。あげくに"Please note that the current rejection rate of this journal is over  60%."などという記述が。そんな雑誌の査読を僕に頼むなよな。 If you are unable to accept my invitation, please let me know within 2 weeks.だと。2週間でどうするか決めろ言うことだ。どうしたらいいのか?困ったなあ。

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2005/05/27

nMDS進展

nMDSに激震が走った余波で逆に一気に研究が進んだ...ような気がするが、どうだろう。共同研究者は厳しい人たちなのでなかなか納得しないかも。今日も激しくやりとりを繰り返す。午後の時間帯が完全に向こうの「夜中」になっているのでやりとりをするのもつらい(向こうもつらいだろうけど。現地時間で午前2時,みたいなメイルがよく送られてくる)。一人が日本人、もう一人がインド人というのもつらい。日本人を優先すると、僕のひどい英語からすると、日本語でメイルを書くべきだが、そうするとインド人には分からない。しかし、日本人にメイルして、インド人には「日本人に聞いてくれ」というのもひどい話だし。何がベストかよくわからない(おまえの英語がよくなればいいんだという自明の解には触れたくない...。)

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2005/05/26

Skipping stones

Nature 5/19号のResearch Highlightsのコーナー(p251)に早川美徳さんらのPRL掲載ペーパーが取り上げられていた。PRLの方は読んでないけど、どこかで聞いたことがあり、確かSPHで石の水切り(水の上を石がジャンプするやつ)のシミュレーションをしていたのじゃないかと思う。PRLに載ったのか。その上、Natureでも取り上げられるとは。きっとご本人は気づいてないよな。誰か、教えてあげて。

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2005/05/25

impact factor

悪名高きImpact factor、それでも気になるimpact factor。気になる方はこちらででどうぞ。ここ数年、自分の論文が掲載(予定を含む)された学術雑誌のImpact Factorを調べてみたらこんな感じ(2003年版)。

  • J. Phys. Soc. Jpn. 1.903
  • Granular Matter  1.135
  • Physica D            1.559
  • Adv Chem Phys   2.105
  • BioInformatics     6.701!

実感とは合いませんなあ。Granular MatterがJPSJの6割近いImpact factorというのはちょっと高すぎる気がするし、Physica DがJPSJより低いというのも。何よりBioinformaticsのこの値はなんだろう。Phys. Rev. Lett.(7.035)に肉薄している。さすが生物系はImpact Factorの値が高い。こんないい加減な指標でいろいろランキングされたら本当、たまったもんじゃない(別に生物系を非難してるわけじゃなくて、生物系と物理系をいっしょにランキングされたらかなわんなあ、というだけです。そんなことしてないか)。

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True Teamwork

ニューズウィーク日本版という雑誌の6/1号の59ページにこの話が掲載されていた。こういうのって結構、マスコミは好きだよね。複雑系ブームを作ったのもマスコミだったし。こういうのは一般の人にも「うけ」やすいよね、結構。

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2005/05/24

受講者の数

今期は4科目の講義を担当しているが、そのうち2科目は受講者7名。1科目は16名。最後の1科目だけが100名を越えている。勿論、人数が少なかろうが多かろうが講義の準備にかかる手間は同じなので、楽になるわけではないが、すくなくともレポートの採点だけは楽になる。といっても、一番採点が多いのは残念ながら100名を越えている科目なんだけどね。しかし、卒研生や院生だけじゃなくて、講義まで人が減ってきた。最後はどこまで行き着くんだろうか。院生も卒研生も受講生もゼロになったら、さぞかし楽だろうなあ。

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2005/05/23

日経サイエンス書評(掲載報告)

さっき郵便ポストをみたら書評が掲載された日経サイエンスが郵送されてきていた。かなり「偉そうな」書き様になってしまった。それにしても、ついこの前、原稿を出したばかりなのにもう活字になるのか。商業出版の素早さには驚く。掲載が決定してから更に数ヶ月たたないと活字にならない日本物理学会誌との差は歴然としている。学会誌も学術的とは言えないネタが増えてきたのだから、なんとかしないといけないのだろうな。僕はもうすぐ退任ですが、今後の編集委員の皆さんの努力に期待します。

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研究者のスケールフリー

いい研究をする方法に長文のトラックバックがついたので興味のある方はどうぞ。これを書いた方は「孤軍奮闘モード」の方なのに、「学者のネットワーク」に興味をもたれるというのはある意味で逆説的で面白い、と思いました。

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2005/05/19

いい研究をする方法

書くこともないから論文の感想でも。ちょっと前のScienceにいい研究をする方法、という論文が載っている。これは過去の論文の共著関係から研究者ネットワークを解析した論文で、今流行のスケールフリーネットワークの話である。ただし結論は月並みで、有名で力のある研究者と共同研究しろ、というもの。まあ、ネットワーク構造に注目すれば、共著者の多い、アクティブな研究者がハブになって研究を進めている、ということになるだろうから、そういう結論もうなづける。逆にいうとちょっとつまらない論文かもしれない。この論文のPerspectivesを書いているバラバシは、ハリ=セルダンなんか持ち出してちょっとはしゃぎすぎ。まあ、飛ぶ鳥も落とす勢いだから仕方ないか。

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2005/05/18

nMDSのソースコード

講義用に作成したnMDSのソースコードを 貼り付けておこう。細かい説明をつけておいた。但し、gnu fortranの乱数を使っているので、g77でコンパしないと動きません。あしからず。簡易版なのでやれることは限られている。本当に研究に使いたい人はここを参照して下さい。

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2005/05/17

Intelligent design

Intelligent designというものがあるそうだ。進化だけじゃ、生物はつくれない(複雑すぎて)。神様が関与したはずだ。という説。日本だとまともな人はこんなもの信じないと思うがアメリカでは、大学で随分と流行しているそうだ。悩ましいのは、学生たちがずっと信じてきた信仰と大学で学んだ自然科学の知識との齟齬に苦しんだ結果、この様な妥協策におぼれるということ。大学で正規の授業として教えようという動きもあるらしい。日本人はもともと、あまり強い信仰を持ってないから大学で理系の知識を学んでも、こういう軋轢には苦しまないのだろうな、きっと。それにしても
"The point here is that Americans don't want to be told that God had nothing to do with it. And that's the way the intelligent-design people present evolution."(問題はアメリカ人は神様は何もしなかったなどと言われたくないことだ。これがIntelligent designが流行している理由なんだ
とは恐ろしい。信仰深いブッシュが大統領に選ばれる国だなあ、さすが。

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2005/05/16

なつかしの粉粒体

この論文を担当してくれているのはである。世界中で物理学者が粉粒体の研究を始めた頃からの知り合い。と言ってもあったことはろくにないけれど。今日、Natureに彼がNews and Viewsを書いているのを発見した。彼も偉くなったもんだ。それにひきかえ自分は、みたいな話は暗くなるからやめよう。
朝は、どこかのセミナー企画会社から粉体工学のセミナーで講演してくれと依頼された(勿論、もうその研究してないからと断って、他の人を紹介した)。それから、随分昔に粉粒体の国際会議でお世話になった先生から粉粒体の数値計算の論文の査読を頼まれた(これは勿論、引き受けた)。
こうして、自分は粉粒体の研究者をやめたつもりでも、昔の縁は延々と続いていく。

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2005/05/12

幻か現実か?

nMDSをつかった研究に激震が走っていて共同研究者達(海の向こう)と激しくやり取りをする。あんまり詳しいことを書くと殴られそうだからやめておくが、結局は「あるデータがある。それを処理してパターンを見つけたとする。このパターンに意味はあるか?」ということに尽きる。僕がいま扱っているのは個々の遺伝子の発現実験のデータだが、眺めても何も解らないのでいろいろデータを加工する。「加工する」というと聞こえはわるいが、「フーリエ変換する」とか「相関関数を計算する」というようなことも、みな「加工」だから、いつだって何か「加工」はするわけだ。ただ、物理の場合はそういう「加工」をする理論的な理由がある程度あってやっていることが多いのに対して、生物学はそういう理論無しで「加工」する。というか、「加工」することでむしろ「理解」しよう、とすることが多い。理解してから加工する物理学とは順序が逆なのである。で、もし、AとBがある加工の結果、同じだったら、AとBは同じだと言えるのか?「言える」と言いたくなるが例えばA=(1,2,3,4)でB=(1,3,5,7)の時、「加工=奇数番目の数をとりだす」だったら、(加工→A)=(加工→B)=(1,3)となって同じだ。が、これでA=Bと結論したら石が飛んでくるだろう。しかし、こういう問題はそもそも、答えようなんかあるんだろうか?nMDSはもっとも仮定が少なくて、ありとあらゆるデータを加工できる便利な道具だ。それを使っても「加工の結果同じになっただけじゃないの」と言われてしまうなら、そもそも、データ解析なんて可能なんだろうか?質問自体に意味がないような気もする。

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2005/05/11

粉粒体の論文

随分前に投稿して、音沙汰がないのですっかり忘れていた論文の受理通知が突然、届く。これはもともとはJPSJに投稿したのだが、レフェリーのレポートがあまりに感情的かつ不条理なので嫌になってここに投稿しなおしたものだ。レフェリーとのやりとりもあったのだがあまりに間欠的なのですっかり忘れていた。もう通らないものだとあきらめていた。が、とおる物なんですね、論文って。基本的にこれは院生さんの仕事なんでまあ、良かった。でも、1年以上前の卒業でもう連絡も取れないし。どうしよう。

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2005/05/09

ECCB05

ECCB05にポスター講演するための申し込みの準備を始める。って、この歳でポスター講演をしにいくのもつくづく情けない。招待講演くらいになってなきゃいけない年齢だよね。本当は。

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物性若手夏の学校

物性若手夏の学校のポスターが廊下に貼ってあるのに気づく。今年は(も?)知り合いが随分と講演する。金子邦彦斯波弘行二国徹郎西森拓松下貢。お前は呼ばれないのかって?まあ、研究をサボったからそういうレベルではない(「昔呼んでやったけど断ったじゃないか」という人がもし読んでいたらそれはそれっていうことで)。今年はもう50回なんだなあ(って一般参加者で行ったことはないんだけどね)

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日経サイエンス書評(後日談)

日経サイエンス書評は結局、脱稿した。しかし、うまく書けたかどうかは相当に心もとない。やっぱり、もっと結合振子をがんがん研究している人に譲るべきだったかな。今更遅いが。掲載になったらいろいろ苦情が来るかもしれないが、覚悟するしかなかろう。

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2005/05/06

ISMB2005 ポスター

遅れに遅れていたISMB2005でのポスター発表(ここのE-21)がようやくWEBに。僕じゃなくて共同研究者がポスターをやってくれる。向こうは車で5時間にところにいるからね。しかし、これだけか?書かされたもっと長いアブストラクトはどうなったのだろう?

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Nature 記事:動物分類

Nature 4/28号に動物分類は新説が正しいという記事が掲載されている。昔の左右対称な動物の分類は体腔の有無や形状に注目して成されていたが、今は脱皮するかどうかとかで分類される方が新しい。線虫なんかは見た目はウジ虫みたいだが、脱皮するので昆虫の仲間になる。前者は形態による分類、後者は遺伝子の系統推定にサポートされた分類である。後者は1990年代に登場したが、1990年も終わりになって、ゲノムプロジェクトがいろいろな種で完遂されるようになると、またまた古い考えが正しいという説がサポートされて混乱していた。線虫が脱皮するから昆虫の仲間と言われても違和感があるが、今回の研究でいろいろな種から網羅的に遺伝子の断片を集めれば、新説がやっぱり正しいということがサポートされると解ったようだ。残念ながら原論文は僕にはアクセスできないのでこれ以上細かいことは不明である。

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ゴールデンウィーク

大学の休みに合わせて、4/29-5/5まで全くの休止状態であった。前半は子供を愛地球博につれて行き、後半も子供の相手でつぶれてしまった。共同研究者たち(アメリカ在住+企業人)はノンストップであった。申し訳ない。



 

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