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2005/04/28

赤本と著作権

アカデミックなことは何も書くことが無いのでくだらないけど、こんなことでも書いておこう。
数日前、赤本(いわゆる大学別の過去問集)の出版社から「あなたの文章を使いたい。ついてはしかじかの額なので許可してくれ」という手紙が来たのでサインして判子を押して送り返した。そのとき、非常に疑問に思ったことがある。使われた文章は10年くらい前に書いた本の一節である。なんでこんな古い本がいまさら、試験問題なんかに使われたのか。こんな許諾要請は来たことが無い。10年間、誰も入試問題に使わなかったのに、今回初めて使われたのだろうか?それもあまりにも奇異な気がする。
と思っていたら、こんな記事が(このリンクは数日で消えるだろう)。要するに赤本が「勝手に文章を使っている」とやり玉にあげられているのだ。よく知らないが入試問題の場合は勝手に使っていいようだ(実際、事前に「あなたの文章を使います」とは言えないから許諾の取りようは無い)。しかし、それを転載する赤本はそうは行かないのだろう。いろいろ世の中世知辛くなったものだな(ちなみに僕が貰う額は2000円以下です)。やり玉にあげている人たちはいくら貰えるんだろう?さぞかし高額なんだろうなあ。

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2005/04/27

Jr.セッション

講義などにいそがしく、書くことが無いので、こんなことでも書いておこう。先の物理学会でJr.セッションというものが行われた。まあ、平たく言うと高校生に物理学会で講演する機会を与えましょう、ということで、世界物理年のイベントとして企画された。僕は、自分の講演&座長とぶつかってしまったので行けなかったが、随分と盛会だったようである。今、これを来年以降も続けられないか、という動きがある。多くの物理学会員の方は興味が無いかもしれないが、こういう催しをみんなで気持ちよく後押しできるようになると、本当にうれしいですね。

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2005/04/25

教育実習模擬授業

今日は自分に割り当てられた教育実習履修学生4人を集めて、模擬授業を行った。例年と異なり、大幅な遅刻者がなく、無難に始まって無難に終わった。僕が中等教育での教育について、非常に専門家というわけではないので、模擬授業とかやらせても、学生がどう感じているかはよく解らない。無駄だったな、と思っているのかもしれない。4人中2名は教職志望で、採用試験も受験するようだが、昨今は「1年非常勤講師をやってから採用」というパターンが増えてきたので、彼らもいきなり教職につくのは難しかろう。でも、こういうパターンだと、とりあえず、就職せずに非常勤を1年やらないといけないし、そうなると、最終的に教員に慣れなかった場合の影響は大きい。教育実習ではオールAを取るように、はっぱをかけて送り出した。

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2005/04/22

日経サイエンス書評

日経サイエンスこの本の書評を依頼されている。って、こんなとこに書いてはいけないのかな?英語の本が出たときにさっそく買ったけど、読み始めもしないうちに翻訳が出た。蔵本さんが何度も登場する。有名な蔵本・シバシンスキーじゃ無くて結合振動子の方。こうやって一般書に知っている人が堂々と登場するとなんか違和感を感じる。蔵本さんは偉いんだから別に登場しても何もおかしくはないのだが。5/9が脱稿締切。読み終えられるのか?

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Science 論文:脳の相互作用

読みはじめたばかりですが、結局、読み終わらないかもしれないので、書いておく。ゲームしたときの脳の相互作用をfMRIで計測、とかいう論文が掲載されている。この前、久しぶりにいっしょに飲んだとき、Iさんがこんな様な研究をしているようなことを言っていたような気もするが、こういうのは流行りなのかな?もし、時間があればもっと説明を書くかも。

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Nature 論文:RNAi on C.elegans

ずいぶん前の論文なんだけど、とりあえず、忘れてしまうから書いておこう。RNAiをつかってC.elegansの初期胚発生に不可欠な遺伝子を網羅的に探すという論文が掲載されている(3/22号)。膨大な動画像がオンラインで見られるのがすごい。よくこれだけの動画像を解析して整理したと思う。こういうのはnMDSで自動的に分類、とはいかない。なかなか難しいことだ。(動画の見方:例えばdefect map をクリックすると遺伝子発現の一覧が現れるので、適当にクリックすると遺伝子の一覧が得られる。遺伝子名をクリックすると動画像のあるページに行く。Quick TimeなのでLinuxで見るにはmplayerとかが必要みたい。でも、mplayerはうまく動くときとだめな時があるようだ。)

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2005/04/19

研究者環境分析委員会

委員長に来てもらって研究者環境分析委員会の学会誌原稿の校正をする。ずいぶんと長い道のりだったが、とうとう終わるようだ。なお、科研費は通らなかった。全然論文を書いてないのだから仕方ない。

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2005/04/18

特集 2005年度入試結果速報

特集 2005年度入試結果速報というものが公開されている。私大理工系は予想外に健闘しており、ちょっと驚く。それでも、理学系は3.4%減、工学系は6.4%減だから楽観はできないが、当初の予想(理学系6.6%減、工学系7.1%減)に比べると健闘した、ということだろう。
もっとも旧国立大学でも理工系は減少だそうだから、全般的には喜べない。私大理工系は学費が高額だから志願者が少ない、という理由では説明できなくなった。理科離れを助長してしまった政府関係者には猛省を求めたい。理工系の大学の研究者もいろいろ努力しなくてはいけないのは間違いないが、同時に政府もいろいろ考えてもらわないと困る。科学技術立国といいながら、理工系の生涯賃金が非常に低いのが全ての元凶なのだから。
どう考えても「文系」の方が大学卒業は楽である。それで生涯賃金も高かったらどうなるのか?お金や労力だけで全てが決まりはしないだろうが、それでも大きな要因なのは否定できない。大学人の努力だけではなんともしがたいことである。なんとかして欲しい。


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2005/04/15

部門長賞受賞

今日は大変うれしいことがあった。いっしょに研究している企業の人が「部門長賞」というものを受賞したそうである。彼は、僕といっしょに研究していると言っても、業務とは直接関係ない内容を自分の余暇をつぎこんで研究している。研究成果を僕と発表するときも「会社名は出してはだめ」ということで、大学名で講演していたりした。勿論、会社側は理解があって、僕も直接「部門長」さんにお会いして「○○をよろしく」とか言われたりしているから、業務では無いとは言っても彼が僕と研究することは公認ではあるのだが、それにしても到底、金儲けとは縁もゆかりもなさそうなこんな研究に「部門長賞」をくれるなんて、なんと太っ腹な会社なんだ。感心してしまった。

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Bioinformatics 論文: 時系列部分解析で遺伝子発現度をみる

Bioinformatics誌に遺伝子発現度の時系列データを解析するときには部分列を見た方が良いよ、という論文が掲載されている。言われてみればその通りかも。だんだん、「各論」の論文が増えていく中でもまだまだこんな一般論が掲載されるとちょっとほっとする。

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遺伝子発現度の時系列データの解析一般のレビューとしてはこれがあげられている。このレビューは33ページと短いけど、よく書けているな。これがレビューの著者のページ。まだドクターの学生なのか。しかも、目のさめるような美人だし。才色兼備とはこのことだな。このレビューの著者の所属ってSensing, Imaging and Signal Processing Groupなんだよね。要するに、生物学者じゃない。Bioinformaticsに論文を投稿したときに「生物学的な意味は何か」としつこく聞かれて困惑したけど、確かにこういうのりの人が方法だけでどかどか論文書いたら生物学の論文がのっとられちゃうよね。この人は参加しているコンファレンスも全然生物系じゃないし。だけど、The title of my Phd is "Modelling and Clustering of Gene Expression Time-Series". なんて平気で書いちゃうんだよなあ。これってやっぱり、問題かも。おまえはなんなんだ、と言われそうですが、僕は一応、「生物学」に興味あるつもりなんでいっしょにしないでね。

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Laub氏のセミナー感想

昨日はLaub氏のセミナーに参加(教授会はサボりました。関係者の皆さん、すみません)。自分の研究に非常に近い内容で大変に楽しめた。博士号を取得したばかりの若い人で、もともと量子カオスをやっていた人、とのことで議論も楽しかった。内容的には、半非計量的なMDSを用いてノイズ除去をする、という話と、PCAしたときの負の固有値の固有ベクトル(彼はこれをmetric violationと呼んでいた)をあえてみる、という内容だった。前者はnMDSでそのままできそうだったし、後者はnMDSで非類似度の符号を反転させて埋め込めば、いいと思う。残念ながら、彼は量子カオスの分野に戻るようだが、非線型と統計科学は本当はもっと関係があるはずなので、これからこういう若い人がどんど出てくるのだろうなあ、と思った(日本には絶対、いないだろうけれど)。その後は伊庭さんとKCCAなどについて議論をかわして大学に戻った。珍しくアカデミックな一日だった。毎日こうだったら楽しいのにな。

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中央大学 理工学部の授業評価(みんなのキャンパス)

こんなページがあるのをご存じだろうか? 全部を見ようと思うとユーザ登録が必要だが、学部別に講義の評価がかかれている。 しかし、自分の講義の評価(ユーザ登録しないと見られません)を見ても思うのだが、本当に情けないくらい、「単位が取りやすいかどうか」しか書かれていない。これじゃあ「授業評価」じゃなくて「単位取得マニュアル」だよな。こんな連中は正直言って大学来ても仕方ないと思う。みんな、何しに大学に来ているんだろうか?こんな連中がいく大学のために私学助成とかしても、正直言って税金の無駄遣いだと思う。少なからずいるはずのまじめな学生が本当に可哀想だ。こんなものを見たら世の中の人は「大学生はこんなことしか考えてない」と思うに決まっているから。
それにしても、このページはいつからあるのだろうか?ごく最近できたような気がする。定期的にgoogleで検索しているがこんなページはヒットしたことが一度も無いから....。

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2005/04/14

カーネルCCA

カーネルCCAだが、有名な(?)論文の例(円と直線)をカーネルCCAで相関させると、確かに直線はでる(kernlabのkccaを使用)。しかし、第1成分だけじゃなくて、第4成分まで「直線」になる。第2から3成分まではもとの座標とは縁もゆかりもないものである。非線型で相関がでるのはいいのだが、ありもしない相関があることになってしまうのは大いに問題ではかなろうか?どうなんだろう。kcca_test

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2005/04/13

多忙な日々

月曜日は介護等体験の面接、火曜日は同面接の追加分、及び、学習指導員として学生からの苦情処理。この2日は保育園のお迎え当番で帰宅も早く、何もできず。本日は午前午後に講義があり、その後は教室会議。なかなか研究時間はとれない。私大の先生は本当に忙しい。

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2005/04/10

kernlabとの比較

kernlab と比較すると僕のカー ネルPCAのコードはσが大きいところではうまく動いていないらしいことが解る。 (下図)やはりこういうものを安易に公開してはいけないな。恥をかいてしまった。
kpca_kernlabkpca_3c_kernlabどうもRに組み込みの指数関 数が桁落ちしているようだ。
これはおいおい直すとして(入力を正規化すればい いのだろうからそれほど問題でもないだろう)、実は三日月は直線になど成らないよう ではある。kernlabにバグがあるわけも無いし、どういうことなのだろうか?カーネル PCAでは三日月は直線にならないのかも。ますます、カーネルPCAへの疑念は深まるばか り。

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2005/04/09

樺島研の院生さんより

ここ からリンクを頂いた。ありがとうございました。樺島研のM1の方みたいですね。もとの所属は上羽先生がおられる名古屋の物理学科の大講座、ということのようですね。ということで、広い意味では「お仲間」ということになるのだと思います。どこかでお会いできるといいですね。なんだったら、いっしょに研究します?(樺島さんが「やめろ」といいそうですが)。

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Dr. Julian Laubセミナー

伊庭さんに教えてもらったセミナー。

Title: Analyzing Non-Euclidean Pairwise Data
Speaker: Dr. Julian Laub
            Fraunhofer FIRST (Germany)
       (詳しい情報)
               関連リンク(D論)

D論を見る限りではMDSにはすごく批判的な人みたいである。nMDS(非計量MDS)についてはあまり触れられていない。博士号をとったばかりの若手の様である。セミナーを聞きに行って、議論できるといいな(教授会はサボり...。)

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2005/04/08

カーネルPCAのソースコード

カーネルPCAをR言語でやるソースコードを公開しておこう。案外、無いみたいなんで。
実行例は

kpca_3c

こんなかんじです。左上がもとのデータで残り5つがσを変えた場合。使ったのはガウスカーネルです。動作は保証しません。おかしかったら、誰か教えてください。よろしく。(σが大きいところの結果はおかしいことが判明しました。トラックバック参照 4/9付記)

 

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2005/04/07

カーネルPCA

カーネルPCAについて疑問がある。教科書なんかには三日月状に点が並んでいるのをカーネルPCAすると、直線になる、という様な例が良く載っている。実際、自分でやってみると

kpca


こんな風にパラメーターで直線になることもならないこともある。大体、教科書には成る例が書いてあることが多いけれど、適当にパラメータを決めないと直線にならないなら、これは「三日月が直線になった」と言えるのだろうか?あまりにも恣意的な気がしてしまう。(σが大きいところの結果はおかしいことが判明しました。トラックバック参照 4/9付記)

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2005/04/05

研究室ホームページ

研究室HPをリニューアル。といっても、管理していた院生が卒業し、来年からは院生もいない予定なので、手軽に管理できるFreeStyleWikiへと移行しただけ。いろいろ機能をつけてくれた歴代の院生には申し訳ないが、自分で管理するにも時間がないので。

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2005/04/04

入学式

今日は入学式であった。全体会には出なかったが、学科別の会には出席して挨拶。その後、父兄の希望者と懇談したが、予想外に多くの父兄が参加して数々の要望を出された。いろいろな要望が出ていたのだが、要するにしっかり教育してくれ、ということであった。対して、教員側からもいろいろな要望が出された(ここにはあまり詳しく書けない).いずれにせよ、ずいぶんと期待されているのだな、ということは実感した。

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統計数理研究所新組織

この前行った研究会を主催した統計数理研究所が組織替えをしたというメイルが流れてきた。外から見て解りやすくすることが目的だそうで、その目的は一応、果たされていると思う。

組織図
人員配置
所長挨拶

きっといわゆる「説明責任」に対する対応なのだろうけれど、こういう研究所はずっと生き残って欲しいとは思う。もっとももっと「世間受け」する名前に変えないといけなくなってしまうのかもしれないけれど。そうなったら、ちょっとさびしい。

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2005/04/01

メイルアドレス不調

電子メイルが一日使えなかった(昨日の夕方くらいからいままで)。メイルアドレスを委託しているレンタルサーバー業者が無能な上に、あまりにも安いところと契約したために、ひどいことになっていたのだ。しかも、外国の業者で話が通じない。かなり高額になったが日本の業者に乗り換えることにした。こんどは電話でも苦情が言えるので、なんかあったときには心つよい。貴重な研究時間を無駄にしてしまった。あまりにも安いものにはやはりそれなりの理由があるのだと実感した。もう二度とこんな目にあわないようにきをつけよう。

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